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中国の大都市 不動産高騰の一方で利益減少の不思議【禁聞】

2016年09月21日

【新唐人2016年9月22日】

今年に入って以来、中国の一級、二級都市では不動産市場が活況を呈しており、不動産業者の販売業績が急激な成長を見せています。しかし、半数近くの不動産業者の収益が増大している一方で、純利益は逆に減少しており、株式上場している会社のほとんどが損をしているという不思議な現象が起きています。

 

中国経済メディア『滙金網』9月16日付は、中国の270社の株式上場している不動産業者が史上最大の損失を被っていると報じました。上海・深圳の株式市場に上場しているA株125社のうち純利益が減少しているのは53社に及び、損失を生じているのは23社となっています。また、香港株式市場に145社のうち損失を生じているのは40社に達しています。

 

『華声在線』の統計によれば、上半期の損失額が最も大きい上場企業は人和商業で144億9000万元の損失、二番目の恒盛不動産は20億元の損失を出しており、三番目の嘉凱城に至っては、収益が貸付返済の利息にも遥かに及ばないとのことです。

 

販売業績の上位30社にも販売額は増長しているのに純利益が前年同期比よりも減少している会社が多くあります。純利益の減少幅が最も大きい社は、今年10宗の土地取得した融創中国で、同社の上半期の純利益は約1億300万元で、昨年同期比より91・8%も減少しています。

 

中国の経済学者の何軍樵氏は、土地のコストが絶えず値上がりしていること、また、依然として負債比率が増加していることなどが、多くの不動産業者の利益を圧迫していると分析しています。

 

経済学者・何軍樵氏:「政府が地価の60~70%の利益を取るため、地価が高騰し、さらに住宅価格も上昇している上、汚職によるコストも上乗せされているからです。」

 

統計によれば、不動産業者が土地購入から住宅を建設し販売するまでに支払う税金は土地譲渡税や管理費、営業税、印紙税、建設税、企業所得税など大まかに分けて7種類37項目に及びます。

 

著名な経済学者の郎咸平氏はかねてより、もしも不動産にかかる税を廃止すれば、中国の住宅価格はすぐさま70%減少すると指摘しています。

 

不可思議なのは、不動産業者の損失額が膨らむにつれて、不動産価格も上昇しており、その価格が驚くほど高くなっていることです。今年、一級、二級都市、とくに深圳では不動産価格が不合理な価格にまで高騰し世界を驚かせました。

 

CNBCは、アメリカの経済コンサルタント会社、ロングビュー・エコノミクスの最新の研究結果を報じました。結果報告は、深圳はシリコンバレーを擁するカリフォルニア州サンノゼに続いて、世界で二番目に不動産価格が高い都市となっており、昨年初めから深圳の不動産価格は平均76%も上昇したと指摘しています。

 

ロングビュー・エコノミクスの研究結果は、今回中国で発生している不動産価格の高騰は昨年4月から始まったものであり、当時中国の株式市場は最高値に近づいている頃であったと示しています。

 

中国で不動産価格の高騰が今後も続いてゆけば、1637年にオランダで起こったチューリップ・バブルのように、貴重なチューリップの球根の価格が吊り上がり、オランダ国民が投資に殺到した末にバブル崩壊し、無数の家庭が破産したため国全体が経済危機に陥ったあの状況が繰り返されるかもしれないとして、警告しています。

 

これより前に、経済学者は中国の中央直属の企業や国営企業、コネのある民営企業が、銀行から低利息で借入れた資金を、深圳や上海で闇金ローンやP2P金融、ネット金融などの手段によって転売した後、不動産価格が値上がりするのを待っていると指摘してきました。特に大型の不動産の価格が高騰しているのと関係があり、これにより不動産業者のコストもかさんでいるのです。

 

アメリカのケイトー研究所客員研究員・夏業良氏:「もしも企業がやっていることなら政府は簡単に調べることができます。ですが、もし地方政府と不動産業者が結託してやっていることなら、誰にも真相は分かりません。」

 

CNBCはロングビュー・エコノミクスの研究結果を報じるとともに、大投資家のソロスも、中国が債券によって増長し続けている状況は、2008年の金融危機をもたらした時の条件と「奇妙に似通っている」と警告していると指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/09/20/a1287302.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)

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